前回のブログで、「食べる」ということについて書きました。
その「食べる」には、飲み込むという行為が必要です。
それを嚥下と呼び、その機能が衰えると誤嚥して肺炎につながります。
訪問診療では、加齢、脳梗塞・出血の後遺症、神経の病気、がんなど様々な理由でこの嚥下機能の低下している方を多く診ています。
先日、長野県飯田市より健和会病院 総合リハビリテーションセンター長である福村直毅先生ご夫妻が、あい太田クリニックにおいでになりました。
福村先生は嚥下機能を評価する嚥下内視鏡検査をリードする医師の一人です。
また、嚥下障害の治療のひとつとして、食事を横向きに寝て食べる「完全側臥位法」を発見・提唱され、普及活動を行っております。
奥様である弘子さんも摂食嚥下認定看護師として一緒にご活躍されています。
あい友会でも、現あい駒形クリニックの中村院長が、福村先生からの指導を受けて嚥下内視鏡検査と完全側臥位法を導入しています。
私は、コロナ禍ということもあり、福村先生の直接指導は受けたことがありませんでした。
今回、目の前で嚥下内視鏡検査と完全側臥位法の実践をしていただき、勉強になったというより、まさに目から鱗といった衝撃をうけました。
そして、長年の研究に基づいた理論と嚥下障害治療に対する情熱に感銘を受けました。
創意工夫も素晴らしく、説明用模型の作成や、食べやすい食品の開発を行っておられます。
写真で使用している模型は、福村先生のお母さんの喉を3Dプリンターで再現したものだそうです。
先月、完全側臥位法に関する論文*が第29回総合リハビリテーション賞を受賞し、その有用性が認知されてきています。
今後も、嚥下障害のある方が安全に食事を楽しむことのできるように、あい友会全体として様々な取り組みをして行きたいと思っています。
*「急性期重度嚥下障害患者に対する完全側臥位導入による帰結の変化」長尾恭史ほか 総合リハビリテーション.2020;48(6):567-72.
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