すっかり秋となり紅葉シーズンとなってきました。
そんななか、訪問診療をしていると、すっかり色づいた柿の実をみる機会も多々あります。
秋の味覚の柿は、甘いものは美味しくてついつい食べ過ぎてしまうこともあるかもしれません。
しかし、ちょっと注意が必要です。
柿に含まれるタンニン酸が胃酸と混じり変化し、それに食物の成分が一緒になり胃の中に柿胃石(かきいせき)と呼ばれる塊ができることがあるのです。
それが大きくなると、胃痛や吐き気、胃がもたれるなどの症状をきたす原因となります。
さらに怖いことに、胃から小腸に流れて途中でつまってしまうと、腸閉塞という状態となり、場合によっては緊急手術が必要となってしまいます。
私も20年前、まだ若き外科医だったころに、この柿胃石による腸閉塞で手術になった症例に出会い、医学誌に報告したことがあります。
写真は柿胃石と、それによって腸閉塞を起こしたCT画像です。
久々に柿胃石のことを調べてみると、コーラを飲むと柿胃石を溶かすことができるという興味深い知見もでてきているようです。
いずれにせよ柿の食べ過ぎには注意しましょう。