2022.04.01

緩和ケアについて-その1|専門的ケア導入のタイミング

あい太田クリニックの緩和ケアチーム

あい太田クリニックでは日本緩和医療学会認定医の資格を持つ前野医師を中心として活動している「緩和ケアチーム」があります。医師、看護師、薬剤師、理学療法士、医師事務、訪問診療アシスタントと、各職種の職員が所属して月に2回ほどミーティングの機会を作って、緩和ケアが必要な患者さんに何ができるか…を話し合っています。

そして庄内、駒形のクリニックとも連携して活動していて、さらにより良い緩和ケアを提供できるようにしたいと考えています。

緩和ケア=心身の痛みを和らげる、患者さんの気持ちに寄り添い会話をする…などということは大前提ですが、あい太田クリニックでは、緩和リハビリテーションや緩和口腔ケア、終末期の栄養療法なども行なっています。

一般的に、最期が近付いてきているのに、リハビリや口腔ケアをやっても仕方がない…と考えがちだと思います。
しかし、これらの専門的ケアが終末期の患者さんにとって有益なのは事実だと思います。
まだまだ、この辺りの考えは医療者側、患者さん側ともに根付いておらず、われわれも試行錯誤を繰り返しているところです。活動を通して地域に少しずつ浸透していけば良いと考えています。

専門的ケア導入の話を切り出すタイミングも大切

緩和ケアは、癌の場合、診断がついたときから始まります。しかし、われわれが介入する時点ではすでに末期となっている場合がほとんどです。

病院などから引き継ぎの事前情報はありますが、やはり初回の訪問で、ご本人、ご家族と初めてお会いして診察、聞き取り、ご家族との相談などを行なうので、患者さんに今後どのような緩和ケアを提供していけば良いのかをすぐに把握するのは大変難しいです。

そもそも、在宅医療がどのようなものか、患者さん側がよく理解していないことも多くあります。残された時間が少ないので早めにリハビリや口腔ケアの介入が必要と判断しても、提案、受け入れにつなげるタイミングは難しいものです。

ケア介入は程よいバランスを保つ

そして実際、定期の訪問診療に加えて、毎日のようにリハビリや歯科医、訪問看護さんなど、誰かしら他人が家に来るとなれば、片付けや掃除などに気をまわされてしまうご家族も多く、結果大きな負担がかかってしまいます。

在宅医療では患者さんとご家族が共に過ごすという時間がとても大切ですから、程よいバランスを保ち、介入していくことが必要だと考えています。

ただ、それぞれのケアは医療的に必要な場合もあり、患者さんの苦痛の緩和につながることは事実です。特にリハビリはその言葉から「つらいもの」というイメージがあり、終末期に行うことに心理的な拒否感があることが多いので、その意義をきちんと伝えていくことも重要です。その上で、押しつける形ではなく、受け入れてもらうように心がけています。

私たちから毎日オートマチックに介入スケジュールを組み立てることは簡単です。しかし、患者さんとそのご家庭の数だけ生活パターンがあります。

これからも患者さんとご家族の大切な時間は尊重しつつ、在宅緩和ケアを提供していきたいと思っています。

芳賀 紀裕
この記事の執筆者
あい太田クリニック 院長

芳賀 紀裕 (はが のりひろ)

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