冬の庄内での訪問診療~日本の原風景~

院長ブログ

芳賀 紀裕
あい太田クリニック 院長
芳賀 紀裕

 

医療法人あい友会には、現在、太田の他に2つのクリニックがあります。
ひとつは同じ群馬県内の駒形ですが、もうひとつはちょっと離れていて、山形県庄内の三川町にあります。

 

先日、あい庄内クリニックに、1週間ばかり人事交流兼お手伝いに行ってきました。
日本海に面する庄内地方の冬は大変厳しい気候で、雪もさることながら風が強く、「地吹雪」と呼ばれる猛吹雪もあります。
本木雅弘が、納棺師の役を演じた2008年の映画「おくりびと」の舞台としても有名でオープニングではこの地吹雪が描写されています。

 

今回は、日曜日夕方の羽田発の飛行機で庄内入りの予定でした。
天候が危ぶまれる中で無事離陸し、庄内平野の上空まで飛行し、着陸態勢まで入りました。
しかし、吹雪が強くなり、しばらく雲の上を旋回しながら、天候の回復をまちましたが、結局羽田に引き返してきました。
翌朝第一便で再度庄内に向うと、この時期としては珍しく晴れ上がり大変美しい山々が私を待っていてくれました。


鳥海山(空港まで迎えに来てくれた事務の那須さん撮影)

 

2年前に、初めて庄内で、週末のお手伝いをしたときも日本海側は悪天候でした。
そのときは電車を利用し、新潟周りで行きましたが、新潟から酒田に向かう、特急いなほ号が運休になってしまいました。
コロナ禍1年目で乗客も少なく、代行バスがタクシーとなり新潟から酒田まで約4時間かけてたどり着きました。
プリウスに4人乗りで密でしたが、風が強く換気も出来ず大変つらかった記憶があります(笑)。

 

そして翌日早朝が庄内初仕事で、お看取りでした。
107歳の女性の方で、今のところ私が医師になって看取った最高齢の方です。
雪の中ご自宅に向かい、多くのご家族が見守る中でお亡くなりになったのを確認ました。
庄内弁でご家族から感謝の言葉をいただいたのち、家をあとにすると、ちょうど日の出の時刻でした。
なにか神々しさを感じながらホテルに戻りました。

 


お看取り後の庄内での日の出(看護師川俣さん撮影)

 

冬の庄内は大変気候が厳しいところですが、不思議なことに北関東より暖かく感じます。
空気も澄んで凜としています。
「おくりびと」で流れていた澄んだチェロの音色が脳裏に響き渡ってきます。
そんな中での訪問診療は、なにか忘れかけていた日本の原風景のようなものを感じさせてくれます。

 

 

 

今回の庄内で訪問したお宅。

元大工さんの患者さんご自身が建てたそうです。

介護が大変だと思われる奥さんが、「周りの家もみ~んなこの人が建でだのやのぉ~」と庄内弁で明るく語っていたのが印象的でした。

満開に咲いた金のなる木が玄関先に飾ってありました。

許可を得て撮影させてもらいました。

 

庄内クリニックのスタッフも暖かく迎えてくれ、お米をはじめ食べ物もおいしく充実した1週間でした。
今後、「逗子」、「長野」、「つくば」とまた新しいクリニックがオープンの予定ですが、兄弟クリニックとしてファミリーのように連携を組んでいければ良いと思っています。

 

 

 

 

 

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この記事を書いた人 芳賀 紀裕
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